*
「近永、すきです」
「うわあっ?」
山田にそう言われた瞬間、階段の残りの3段をすっ飛ばして、落ちてしまった。
「……っ!ごめん、近永!」
「……いてて……大丈夫、ごめんね、山田」
先生に押し付けられた雑用の、資料運び。
重すぎて動けなかったところを、山田が半分以上もってサポートしてくれたのだ。
「なんでそんなに不幸続きになるんだ……?」
「……山田と話せたってだけで、嬉しいから……幸せポイントが、増して……って、私なに言ってるの!?」
なにこれ。なにこれ。やらかした。
本音が、もれた。
床に落ちた状態。うつ伏せで寝てる状態。
そこから、起き上がれなくなる。



