そのあと、山田がなんて思ったか、私は知らない。
もしかすると、髪の毛ふわふわのあの女の子なら知ってるのかな、と、可愛い子を浮かべて思ったりも、した。
だけど、いつもと変わらずに接してくれる山田の、純粋さとか優しさとかに、私の凍りついた心も溶かしてもらえて。
少しずつ、少しずつ。
山田のことを知りたいって思ったんだよ。
返事をすることができなくても、私から告白することはできるだろうから。
山田のいいところは、たくさん知ってるんだよ。だいすきなんだよ。
クラスの可愛い女の子たちよりは、知らないかもしれないけど。それでも、私なりに知ってるつもりなんだ。
今も、痛みなんて感じさせないように笑ってくれる山田。
夏が暑いことを忘れるほどに、山田のあたたかさに、溺れているようだった。



