いつもどおり夏向の部屋に通されて、床に荷物を置かせてもらって、そのまま座ろうとしたら。



「こっちきて、俺のそばにいて」


ベッドにドサっと座って、両手を広げて待ってる姿が子どもみたいだけど、とても可愛い。



言われるがまま、夏向のそばに近づくと
わたしの手を引いてベッドに倒れこんだ。



そして正面からわたしを抱きしめながら。



「……冬花不足で死にそう」



こんなセリフをさらっと言うから本当に心臓に悪い。




「しかも今日の冬花いつもと雰囲気違ってもっと可愛い」


「えっ、あ、ありがとう」



可愛いって言われただけなのにカァーッと頬が赤く染まっていくのがわかる。



こんな顔ぜったいに見られたくないって思っていたのに。



「……冬花、顔上げて」


「ひぇっ…!?」


耳元でささやかれて、びっくりした反動で顔を上げてしまった。