「その色、冬花に似合ってる。
青好きでしょ?」



青って聞いて、
夏向の耳元へ視線を移すと、いつもの綺麗な青色のピアスが光っている。



耳元だから、自分で確認することはできないけれど、たぶん……。



「こ、これって……
夏向と同じ……ピアス……っ?」



触った感じが、同じ形のような気がするし、
青って言ったから……。




「……そーだよ。俺と一緒のやつ」




ずるい、ずるい……っ。

なんでこんなことするの……っ。


いろんな感情が混ざって、
それが涙に変わって、瞳にたまる。




そしてわたしに何も言わせないように、ふわっと夏向の温もりに包み込まれた。



さっぱりした柑橘系の匂いが鼻をくすぐって、
クラッとくる……。



わたしのこと嫌いなくせに……っ。

なのに、こんなことをする夏向は何を考えてるの……?