「冗談ですか…本気ですか?」


「さあ、どうでしょう?
どう捉えるかは冬花ちゃんに任せるよ」



「変なところ一途なんですね」

「冬花ちゃんもね」



不思議なことに自然と、佑都先輩の前ではあまり気を使わずに、言いたいことを言えている気がする。



前は、からかってばかりで変にちょっかいばかり出されて、なんだこの厄介な人って。


女にだらしないのは夏向と同じだし、チャラチャラしてるし、女に慣れてるし。


そのくせ、人の弱さに気づくのは早くて。



「さっき、泣いてたでしょ。
また木咲くんとなんかあったの?」



背中をさすりながら、落ち着かせるように優しい声のトーンで話す。


その言葉に弱っているわたしの心がジワリととけていくとともに、それが涙にかわって頬を流れる。



「っ……、嫌いって、言われました……」


こんなこと言うつもりなかったのに。