その言葉は上手く聞き取れなかったけれど、こもりん自身も聞かせるつもりはなかったらしい。
なにか言った?と首を傾げたけれど、気にしなくていいと返ってきた。
「どう?来ない?」
こもりんの言葉に、篠宮くんはしばし考えるそぶりを見せた。
一呼吸おいて、口を開いた。
「俺も行っていいの?」
首を傾げる篠宮くん。
瞳はまっすぐに私をとらえている。
「もちろん!」
男の子も他にももう少し来てくれる予定なので、肩身が狭いということもないと思う。
「じゃあ俺も行くわ」
「りょーかい、朝陽参加ね、っと」
返事をしたのはこもりんだ。
幹事的な役割を担ってくれているのはこもりんなの。
篠宮くんが来てくれるということだけ確認して、こもりんはひらひらと手を振って他のクラスメイトのところへ去っていった。
残された私と篠宮くん。
「あの、せっかくの休みだと思うのに、ありがとうね?」
やっぱり優しいんだなあ、と噛みしめていると。
「や、俺が行きたいから行くんだよ」
「えっ」
「だって友達だし」