急なこもりんの登場に驚いていると、篠宮くんは首を傾げる。
「誕生日会?」
「あ、そうなの。仲良しのみんなが集まってくれるって」
聞いているだけでも、けっこうな人数が来てくれるみたいで、嬉しいなあと思う。
こもりんがみんなに声をかけてくれたみたい。
「そうだ、朝陽も来ればいいじゃん」
「ええ!?」
唐突なこもりんの提案に、驚いて声をあげたのは私だった。
な、何てことを言い出すの。
「その日、ちょうど部活もオフなんだし」
そっか、マネージャーのこもりんがその日空いているということは、サッカー部は休みということだ。
……じゃなくて!
「こもりんっ!」
「なに?朝陽呼ぶのはイヤ?」
「そんなわけないけど!」
「ならいいじゃん、ねっ」
ねっ、じゃないよ。
こもりんは、私が篠宮くんに憧れていることを知らない。
知らないから、そんなにさらりと誘えるのかもしれないけれど……!
「だって朝陽が来たそーな顔してるから」
「テキトーなこと言わないで!」
このままでは篠宮くんに多大なご迷惑がかかってしまう。
あわあわする私を横目にこもりんがなにか呟く。
「あながち適当でもないと思うけどね」