『朝陽はそのうち、サッカーを辞めるだろうね』



こもりんが、こういうことで大袈裟に誇張したりするような性格じゃないって十分に知っている。



『不安定なのも積極的なプレーができないことも、このままじゃだめだって、朝陽自身が一番わかってる』


『その上、朝陽先輩は今、キャプテンですからね』


『このままだと、ボロボロになるのは目に見えてる』




きっと、部員の誰も篠宮くんを責めたりはしないだろうってこもりんもゆんちゃんも口を揃えて言っていた。

思うようなプレーができなくても、それでもみんな篠宮くんを慕うだろうって。



それほど、人望があるからだ。



だけど篠宮くんは。




『朝陽先輩は自分で自分を責めるから。足を引っ張っているのは自分だって、そう、自分で』




慕われることに引け目を感じてしまうだろう、って。




『それで、いつか限界が来る。……でもキャプテンになろうがならまいが、遅かれ早かれそのときは絶対に来るんだよ』




言われてみればすんなりと腑に落ちてしまう。

だって、篠宮くんって、そういうひとだ。