スパークリング・ハニー



「……〜〜っ」



おでこ、直撃。

前向きにつんのめったまま、額で着地を決めてしまった。



自分では確認できないけれど、おそらく派手に擦りむいていると思う。じくじくとおでこに痛みが走っているもの。

うう、傷はあんまり見たくはないなあ。
たぶん、ひどいありさまだ。



合わせて、引っかけた方の足に鈍い痛みを覚える。


これも、はっきりと確認はできないけれど、転んだ拍子にひねってしまったのかもしれない。




────ピーッ。




直後、ホイッスルの音が大きく響いて、試合は一時中断に。





「光莉ちん大丈夫!?」

「思っきりいったよね……っ?」




地面に転がったままの私のまわりに、みんなが駆け寄ってきてくれる。その表情は、どれも浮かなくて不安げだ。


心配してくれるのは嬉しいけれど……。



ちらり、と見上げると私が足を引っ掛けてしまった、相手クラスの女の子が申し訳なさそうな顔で「ごめんなさい……っ」と頭を下げている。



ああ、そんな顔しなくていいのに。

何も悪くないもの、そもそも足を出したのは私の方だ。




「いいの……!事故だから仕方ないよ!」



笑顔を見せてそう言うと。




「……でも」




悲痛な顔でふるふると首を横に振る女の子。
うう、心が痛いな。