スパークリング・ハニー

.
.


放課後。

教室に残って窓の外を眺めるいつものルーティンが帰ってきた。


きらきらと窓にあたる日光は、夏休み前より少し位置が低くて、ああ、季節はめぐってもう秋なんだって思う。まだまだ気温は夏に負けず劣らずだけれど。


窓際の席を借りて覗きこむ、その先はもちろんサッカー部が練習しているグラウンド。


ぱっと見て、最初に気づいたこと。
人数が減っている。


それもあたりまえのことだ。夏の大会を最後に3年生は皆残らず引退したんだって。となると、2年生────つまり、私たちの学年が部活では最高学年となる。


風のうわさによると、新キャプテンは篠宮くんになったんだって。ほんとうにすごいな、と尊敬してばかりだ。


ふんふふふーん、と鼻歌を歌いながら、窓の外を眺めつつ。空いた手元で、紙を折り折り……完成したのは紙ヒコーキ。


ひまだと、ついつい手元の紙で折り紙しちゃうことってない? 私はよくある。



紙の大きさがちょうどよかったのか、完成した紙ヒコーキはいい感じの出来映えだった。


調子にのって、ひゅん、と手首にスナップをきかせて黒板に向けて飛ばしてみる。