頭にはてなマークが浮かびはじめると、すぐさま篠宮くんがわかりやすい言葉に直して教えてくれるから、今日の内容はものすごくよく理解できたし、すっきり整理された篠宮くんのノートをちょっと見せてもらって、こうすればいいんだって思ったし。
やっぱり眠くなんか少しもならなくて、授業時間が少し短く感じるくらいだったの。
チャイムの音で、授業が終わる。
くっつけた机が離れていく。離れたあとのその距離がふつうなのに、なんだか名残惜しいと思っちゃう。
「ありがと、ほんとに助かった」
最後にもう1回、ありがとうって伝えてくれる。
律儀だなぁ、ほんとうに。
1ヶ月間、隣の席、この距離で。
なにか篠宮くんの、まだ知らない一面を見つけられるかな。
見つけられたらいいな、と思う。
そして、それがどんな一面だとしても、それを含めた篠宮くんに丸ごと憧れて焦がれているって、この気持ちは、このジャッジはずっと変わらないんだろうなって確信しているの。



