.
.



そのあとも、みんなでわいわい盛り上がっていたのだけれど、楽しい時間は瞬く間に過ぎていく。

日が傾きはじめた頃、誕生日会はお開きになった。


たまちゃんの家から、ばらばらとみんな帰っていく。


その背中を見送りながら、最後に扉から外に出たのは、感傷にひたりながらのろのろと歩いていた私と。




「あ、みなみちゃん」

「ひかちゃん?」




みなみちゃんだった。
図らずとも、ふたりで帰ることになる。

幸い、ここからのそれぞれの家への方向は同じだ。




「ええと、篠宮くんと帰らなくていいの?」




少し先を歩く篠宮くんの後ろ姿は、まだかろうじて見えている。追いかけたら、追いつけるだろう距離。


みなみちゃんはいつも篠宮くんと帰っているから、と首を傾げた私に当のみなみちゃんはきょとんとする。



「朝陽? 帰らないよ? 別に一緒に帰ろうって約束してるわけじゃないし」



そういえば、そんなこと篠宮くんも言っていたような……。

でも、そのわりには。




「ほんとうにいつも、一緒だよね?」

「あー……うーん、あれは」