ブレスレットと私を見比べて、篠宮くんはふっと優しい笑みを浮かべる。
「瑞沢っぽいなって」
「えっ」
瑞沢っぽい。
言っていることはみんなとまったく同じ。
……だけど。
驚いて、ブレスレットを二度見する。
かわいい、ディテールが細かくて、女の子っぽい。
一目ですっごく気に入った。
選んでくれたのが篠宮くんだということを抜きにしても、きっとそう思うくらい。
でも、これの。
こんな素敵なブレスレットの。
「どういうところ、が……?」
どこをどう、私っぽい、なんて思ってくれたの。
似ても似つかないよ。
対極にあるといってもいいと思う。
「きらきらしてるとこ」
「……っ!」
焦りも照れもない。
すこしの動揺もなく、ただまっすぐに篠宮くんは言った。
きらきらしてる、なんて。
私よりもぜんぜん、もっともっときらきらしている人が、私のことを。
「あ……、りがとう」
「……? 思ってることそのまま言っただけ」
篠宮くんといると、嬉しい、とか楽しい、とか憧れだとか。
いつも色んな感情でいっぱいになるけれど、でも、こんなのは。
こんな気持ちははじめてだ。



