大混乱の私に、私とはちがう理由……笑いすぎて涙目のこもりんが説明してくれる。
「実はね、ロシアンたこ焼きだったんだよ」
「ロシアン……?」
ロシアン、ってロシアンルーレットの。
ああ、となんとなくことの顛末は理解した。
「ワサビ入りのをね、何個かつくってたんだけど、まさか光莉が一発で引き当てるとは」
さすがだね、とにやにやしているこもりん。
「さすがじゃないよ!そういうことは先に言ってよ!」
何の覚悟もしてなかったから、思いっきりひとくちで食べちゃったじゃん! まだ口の中にワサビのツンツン感が残ってるもん。
容赦ない量のワサビが入ってたんだからね!?
「ひかちんのリアクションは見てて飽きないね」
「ふふっ」
もうっ、ほんとにびっくりしたんだからね!?
なんて、ほんとうは全然怒ってはないけれど、むくれてみる。
口がひりひりするのは事実だもん。
まだ涙目の私に、篠宮くんが水の入ったコップを差し出してくれる。優しい。
「ありがとう助かる……、篠宮くんも知ってたの?」
水を勢いよく口に流し込みながら尋ねる。