ちょうどお昼どき。
たしかに、お腹すいてきたかも。
「ほらほら、誕生日のひとからどうぞ」
こもりんが私の方にたこ焼きが乗ったお皿を差し出してくれる。たっぷりかけられたソースの匂い、湯気にのって鰹節がゆらゆらしている。美味しそう。
「じゃあ、いただきます〜!」
勢いよく、ひとつ、たこ焼きを口の中に放り込む。
「熱……っ!」
そりゃそうだ、焼きたてのたこ焼きをひとくちでいくと、こうなるのも当然。はふはふしながら、咀嚼する、と。
美味しい……じゃなくて。
「?!?!」
舌をやけどしそうなくらいの熱さ、その次にやってきたのは。
まったく予想していなかった、鼻の奥をツーンと突くような感覚だった。
「辛っ……!待っ、なにこれ!?」
めちゃくちゃ辛い。
唐辛子的な辛さじゃなくて、あの……ワサビ特有の。
たこ焼きから感じるはずもない感覚に涙目で慌てふためく私に、こらえきれないといった様子でこもりんが吹き出した。
それにつられて、みんなも爆笑しはじめる。
「ははっ、さすが光莉は引き強いね〜!」
「どういうことっ?!」