時が止まったのではないかと感じた。痛いくらいの静寂で、伝える時にぎゅっと閉じた瞼を薄く開いていく。

「え……?はっ……?」

口元に手を当てて、真っ赤な飛鷹。少しつり目な目は潤んでいるように感じた。

「チ、チョコ渡して来たってあれは?」

『友達にだよ?』

「で、でも澪、好きな人居るって……」

『あれ、飛鷹の事だけど。ねぇ。身長が高くて、髪の毛茶髪で、クールなくせして動物好きだし、そのくせ動物には好かれずに毎回凹んでるし、バスケ上手いし、やたらと子供に好かれるし、

笑う時はクシャッと目元細める。

……ここまで自分と特徴似てて、他人のことだと思ったの?』

「いや、俺に似てると思ったよ。だけど俺じゃなくて他の人だと思ってたから……」

飛鷹の頭がだんだんと表情を隠すように下に向いて言っている。それが嫌でガシリ、と飛鷹の頬を掴んだ。

『だから?』

「だから、それならいっその事俺を好きになってくれればいいのにって。

……俺の方が何倍も澪のこと思ってるって。

悔しくて。

諦めよう、澪の恋応援しようって思った。」