「ありがとう。でも、どうして…?」

「そんなの決まってんじゃん。君の…」
ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ
「はっ!ハッ、ハッハッ…!」
部屋に響く電子音で夢の世界から叩き起される。
「また、この夢…。」
最近、同じような夢ばかり見る。好きだった人に告白された時の夢だったり、友達が私の陰口を言っているのを聞いた時の夢だったり。悪夢以外の、何物でもない。
今回の夢は、好きだった人に告白された時の夢。告白されて、嬉しかったことは今もまだ鮮明に覚えている。けど、それと同時に、気になってしまったことも。私のどこを好きになったのかを。この人なら…と心の中で期待していたこともあったのかもしれない。『わたし』の事を見てくれるんじゃないか、って。
その結果は、散々なものだった。
「そんなの決まってんじゃん。君の顔が俺の好みだから。」
そう堂々と宣言されて、一気に失望した感覚は今でも消えない。
あの人も、それまで私に告白してきたヤツらと同じように、私の顔にしか興味がなかったんだ。