『……あのさ。沙和』 「ん?」 『お前、ほんとは福山先輩のこと好きなんじゃねーの?』 ぶわっと汗が噴き出た。 「……は? 何言ってんの」 「ちがうのか?」 「あ…当たり前じゃん」 『そうか……ならよかったけど』 よかった? 言葉の意味がわからず黙っていると、木下は気まずそうな口調で話し始めた。