「な、なんで?!えっだって。

私なんかと付き合ったら後悔しちゃうよ?!」



本当に、なんで。急展開すぎる。

少女漫画じゃあるまいし

律くんとなんかもう話すの何年ぶり。

ってくらいなのに。



「…知らないよ。(笑)

で、返事は?ダメなの?」



「え!!まっまさか!!

もちろん!もちろん!!いい!です!

私でよければぜひ!!」



「そっか。ありがとう。じゃあ、よろしくね」



そう言って律くんは優しく笑いかけてくれた。

はぁ。綺麗な顔。ずっと眺めてられる。

夢…じゃ、ないよね。

律くんが…私の彼氏…

本当に夢みたい。



「どうしたの??僕の顔に何かついてるかな?」



「あ!いやいや!そんなことないよ!

よ、よろしくお願いしますっっ」



「うん!じゃあ家まで送っていくよ。

あっち…だったよね。

久しぶりだね。いろいろ、話、聞かせてよ」



「も、もちろん!!」



中学校のときのこと、小学校のときのこと

高校入ってからのこと、

律くんとたくさん話した。

さすが王子様、さっそく家まで送ってくれた。

反対方向なのに。

家に帰ってからはウキウキ。

いつもは絶対手伝わない夕飯の支度も

お母さんに怪しまれながら

ニコニコの笑みで手伝った。

その日は私の人生最高の1日だった。