「はあ……」

さっきから何度目のため息だろう。

私は今、非常に機嫌悪いのよ。


「ちょっと美織(みお)。そのため息、いい加減やめなさいよ‼?」
親友の音羽(おとは)も、さすがにイライラしてるようだ。


「だってさあ……マジありえないのよ‼」

「だーかーらー‼何の話よ‼?」

「翔夢(とむ)のことよ‼」

「翔夢くんがどうしたの?」

「聞いてよ‼もう‼」


それはあの日の出来事……。


いつものように、私の部屋に入り浸ってる翔夢のことを。

半ば諦めかけて放置したんだが……。

その日は、いつもの翔夢とは雰囲気が違った。