別れられてすっきりするのにやっぱり出るのは涙だけ。 「まーた泣いてる、千夏ちゃん」 後ろから聞こえる昨日と同じ声。 「あ、えと」 名前呼びたくなくてどもる。 「おいで」 尚君が腕を広げて、私を誘う。 他の女の子だったら喜ぶだろうな。