君は僕のペット

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外に貼り出されたクラス表から自分の名前を見つけ出しそそくさと新しい教室に入り窓際の席に座った。



今日もいつもの様に自分の世界に入り込む。



クラスが変わろうと私はもう変われないから、今年も友達はいいや。






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「 …ねぇ、」



イヤホンを耳から抜かれ顎を掴まれる。


その時ふわっと吹いた春の風が私の前髪を揺らし
視界が一気に広がり、その人が私の目に映る。




「 前髪巻いてないの?」



「 …なかむら、くん 」






2ヶ月前と何も変わっていない中村くんが目の前にいた。



彼は自分のポケットを探って何かを取り出し私の前髪に手を伸ばすと狭くて暗い視界が一気に明るく広がった。



前髪を触るとピンで留められていた。






「 同じクラスだよ、よろしくね。」



ふふっ、と笑って私が座っている前の席に腰かけた。






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