君は僕のペット

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教室に入るといつもよりみんなの視線が痛い、こっちを見ながらコソコソ話してるのが分かる。




俯いて自分の席に座り、イヤホンを耳に挿し周りをシャットアウトする。



周りとの交流が苦手で休み時間になるとイヤホンで音楽を聴くから友達が出来なかった。1人も。





今朝の楽しかった記憶が頭に過ぎる。





「 ねぇ 」


突然イヤホンを取られ自分の世界から現実世界に引き戻された。



「 顔上げなって言ったじゃん 」



顎を掴まれ上にグイッと上げられ初めて目の前の人と目が合った。


周りが騒ぎ出しみんなが興味津々に私たちを見てる。





「 中村くん…なんで、」



「 なんか別れ際寂しそうだったから 」




ってかどんだけ探し回ったと思ってるの。
そう言い優しく笑う彼にクラスでの私は知られたくなかった。






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