「走り始めて僅か5分って、酷いよね!」

サービスエリアのカフェテリアで、春人さんのからかう声に

私を除く全員が大爆笑。

だって………春人さんの運転………気持ち良いんだもん。

誠ちゃんに近づきたくて無理して飲んだブラックコーヒーは………

今では習慣になってしまった。

隣に座る春人さんは……

知ってか知らずか当たり前のように

私にも自分と同じコーヒーを差し出してくれる。

……………初めての時からそうだったな。

目の前のカフェオレ。

本当は、ちょっと甘めのカフェオレの方が好き。

眠気の抜けきらない体に

お日さまの温もりと、温かいカフェオレは………

それだけでゆったり出来る。

再びコクリコクリと船を漕いでいると

パシャ!

えっ!!!

びっくりして目を覚ますと

ニッコリ笑ってこっちを見る5人の目。

「言った端から寝てるよ。」って

カメラ片手にまた写す桜。

そう言えば、桜は写真部の部長さんなんだった。

旅行…………それも大好きな山木先生………じゃなくて…………

そうそう!亨さんだ!!

………………う~ん。慣れないなぁ。

とにかく、亨さんと一緒だから絶対カメラを持って来るよね!

「春人さん、写真焼いたら差し上げますね。」

春人さんがもらっても困るだけなのに。

「うん、だったら大きくしてね!」

もう~、春人さんまで悪のりして。

「桜、変なのは撮らないでね。」

念を押して注意したけど…………分かったのかなぁ?