『初めまして!』
今日は高校二年生に成ってから初めての席替えの日。
早速、隣の席の人に挨拶する。
『あ、どうも』
そう言って彼は窓の外を見つめる。
『あの…名前聞いても…』
と、恐る恐る声を掛ける。
『あ?』
と、彼に睨まれると私は
『ひぃっ!ごっ!ごめんなさい!』
と、萎縮してしまった。
『瀬戸 成』
と、急に何かを言われ、
『へ?』
と、すっとんきょうな声しか出なかった。
瀬戸(せと) (なる)
俺の名前。
覚えろ』
と、自己紹介?をされた。
案外悪い人じゃないのかも知れない。
思わず笑顔に成りつつ、
『うん!覚えた!
あ、私は(ひがし) 寧々(ねね)だよ!
宜しくね!』
と言った。
『お前、何か忙しい奴なんだな』
そう、一言言われ、今度はカチンと来た。
『お前じゃなくて、
寧々って名前が有るって今言ったよねぇ!?』
と、その気持ちを全力でぶつけた。
『ふっ…やっぱり寧々は忙しい奴だな』
と、笑顔を見せられた。
と言うよりかは笑われた。
でも、今度は不思議と怒ろうとは思わなかった。