下駄箱まで走るとさすがに息が上がっていた。


‥なにしてんだろ、私。


今日は朝から雨でじめじめしてるし、髪の毛もまとまらないし、傘も置いてきちゃうし、


‥久野くんは私のことなんか眼中にないし。




‥身体だけの関係なんて最初から満たされるはずなかったんだ。


初めは、行為の時だけでも私のことを見て大切にしてくれて嬉しいなんて、そんなこと思ってたけど‥


‥でも気づいたらもっともっとって

欲が深くなっていって‥今はもう…。




自分から選んだことなのにこんな想いになるなんて‥自分のバカさ加減にいいかげん嫌気がさす。



‥気づいたら涙が止まらなくなってた。


でもその涙を拭いてくれる人も今はいない。



涙をごまかすように雨の中帰り道を走り始めた。



「…もう涙なのか雨なのか分かんないよ‥」