翌日。



ダメだっ、全然寝れねぇ…!!
一睡も出来なかった。
思い出してソワソワしてしまう。
頬を触られて顔が近付く瞬間。
瞳を閉じて唇が触れるか触れないかの距離。
全てが走馬灯のように脳を駆け巡る。



また心拍数が跳ね上がるじゃねぇか。
休みの日なのに一歩も外に出ず引きこもる俺。
何も手につかない。



さっきからずっとボーッとしてる。
やけに体が重たい。
普段ならジム行って軽く運動したりするのに今日はそんな気分じゃない。
どうしちまったんだ?
これが恋の病ってやつなのか!?
頭が回らない。
今日はずっとベットの上で過ごす事になりそうだ。




早く紗和に会いたい。
秘書の紗和も最高に綺麗なんだ。
目線や仕草ですぐこの俺を虜にする。
本当は大胆で小悪魔な性分を持ってたなんて、もうひとつの顔を剥がしたくなるじゃねぇかよ。 
どっちが本当の紗和なんだろ?
どっちが好き?
バカ、どっちもに決まってんだろ!




ご飯も喉を通らないなんて俺はどんだけ重症なんだ。
頭に浮かんでは顔が緩む。
今何してんのかなってそればっか。
俺は中学生か?



骨抜きにしてやるって豪語したけど、実際は俺がされてんじゃん。
本当情けねぇよな。
今までの女とは全然違う。
どう言えばいいかな?
周りの空気が一変するんだよ!
紗和の周りだけ俺には違って見えたんだ。



そんな漫画みたいな話、誰も信じないと思うけどな。
紗和に出逢ってから、俺……相当イカれてっから。
泣けてくんのは何でかな……



ちょっとだけ寝よう………



夢に出てくるといいな………