「まとまったら俺と…?言えよ。じゃないとこのまま押し倒すぞ」
「俺とデートしろ…!です」
「そう、それ!デート、頂きました!ヨシ!」
「いや、やっぱり無理です…ダメダメダメ…」
「副社長命令って言ったろ?」
「いや、そういう問題じゃなくて…」
「あ、でもまとまったのって概ね深山のお陰だよな?ってことは……何だよ、お前こそ俺とデートしたいんじゃん?頑張っちゃって〜」
「ちがっ…!違います!あれはそうせざるを得なくて、凄く怒ってたし、億単位のプロジェクトだって言ってたし」
「わかってるよ、深山がちゃんと会社の為に動いてくれたって事。感謝してるよ」
わかったから……全否定すんなよ。
ヨシヨシしてやるから。
こんなちょっとしたお前との時間が、俺にとっては癒やしの時間なんだ。
この座について尖り続けてきた俺が癒やしを求めるなんてな。
「で、どこ行こうか?」
「無理です」
「そう言うなよ、俺だって頑張ったつもりだよ?」
デスクから離れ「終わりましたので失礼します」と足早に行こうとする深山を止めた。
「じゃあこうしよう。今度の土曜日……俺の、レンタル彼女になってくれ!!」
本来なら一番言いたくない言葉だったけど。
今はまだ………
お前を手に入れる方法がよくわからない。
だったら……
試してみる価値もありなのかなって…!?
言ってはみたものの、表情が一変して真っすぐ俺を見つめる深山。
あれ???
俺………間違った!?!?