初めまして、大好きな人




*

誰かが、私を呼んでいる。


波留、こっちにおいでって。


その人の姿は見えない。
ただ、声だけが聞こえる。
何度も何度も、私の名前を呼んでいる。


これは何?あなたは誰?


「夢……?」


うっすらと天井が見える。


ボーっとする中で必死に目を開けると、
そこは見慣れない部屋だった。


びっくりして飛び起きる。


頭が追いつかないけれど、
なんとか状況を整理しようと一度目を強く閉じた。


ここはどこだろうか。


見覚えのない部屋で私は寝ていた。


引っ越しでもしたんだっけ。


ううん、そんなはずない。


私は車の中で寝ていたはずなのに、
気づいたらベッドで寝ていた。


それに、あんなに暑かったのに、
今はとても寒い。



恐る恐る目を開けた。


目の前にクローゼットが見える。


視線を彷徨わせると、勉強机にタンス、
そして部屋の中央に小さな丸テーブルが確認出来た。


丸テーブルの上にある小さな電子時計を見ると、
現在の日付は十二月八日だった。


変だな。私の記憶ではまだ七月だったはずなのに。
どういうこと?
まさか五か月も眠っていたわけじゃないよね?



部屋の中をぐるぐると回って考える。


これは夢なのかな。
試しに頬をつねってみると当たり前に痛かった。


ということはこれは現実ってことだよね。
どうなっているの?