「決まった?」
「うん。これ」
私がメニューを指差すと、
尚央はすぐに店員さんを呼んだ。
えっ?尚央は?と思っていると店員さんがやってきた。
尚央は私の分と自分の分を頼んだ。
いつの間に決めたんだと思うと
スゴ技のように思えてくる。
あんなに悩んだ自分が申し訳ない。
料理が運ばれてくるのを待つ間、
尚央はパソコンをカタカタといじっていた。
そんな尚央をちらちらと盗み見る私。
「何見てんの?」
ぱっと目が合って慌てて逸らそうとした。
尚央はくすりと笑ってパソコンをしまうと、
にこにこと笑った。
「俺の顔、何かついてる?」
「つ、ついてない」
「じゃあなんで俺のこと見てたの?」
「見てないよ。気のせいじゃない?」
ウソ。本当はすごく見ていた。
目もとにあるホクロをじっと見て、
それから鼻、口元を見ていた。
だって尚央、とても整った顔立ちなんだもん。
そしてもちろん、胸元に目がいく。
決していやらしい意味ではなく、別の意味で。
なんでこの人はこんなに格好いいのに
こんなにダサい服を着ているんだろう。
おしゃれが苦手なのかな。
でも、私の服も普通に褒めてくれていたし、
中の服以外は普通にセンスがいい。
なんで中だけ変なんだろう。
とても気になる。
黙って服を見ていると、尚央が声を立てて笑った。


