店員さんは笑顔で頷くと、
私を店の奥まで促した。
何?私の服を選ぶの?
「あ、あの、私」
「行ってらっしゃい」
戸惑う私を余所に、尚央は笑って手を振った。
店員さんも私の背を押して試着室へと向かわせる。
試着室に入ると、すぐに別の店員さんが
服を沢山持ってきた。
そして鏡に向かっている私の前に服を当てて、
色々と説明を始める。
私は鏡に映る自分を見つめて、ただぼうっとしていた。
こうして立っているだけで、事がどんどん進んでいく。
店員さんに持ってきてもらった服を着て、
私はわぁっと感嘆の声をあげた。
いつも好んで着る服とは違っていてとても新鮮。
着終わると店員さんが尚央を呼んできた。
尚央は私を見てヒューっと口笛を吹くと、
顎に手を当ててまじまじと上から下まで眺めた。
「な、何か言って」
「上出来。かわいいじゃん」
かわいいなんて言われ慣れていなくて恥ずかしくなる。
俯いてもじもじしていると、尚央はくすりと笑った。
「照れてんの?かわいい。
あっ、すみませんタグだけとってもらって、お会計」
店員さんにそう言うと、
「かしこまりました」と笑顔で答える。
すぐにタグが外されて尚央はレジへ向かった。
どうしていいか分からなくてその場に立ち尽くしていると、
尚央が戻ってきて私の前に立った。


