突然そんなことを言われて、少し戸惑う。
好きかって聞かれても、私はまだ顔も見たことなくて……。
それにどういう関係かって言ってもどうにも……。
「どういう関係かって言われると、ただの知り合い?って感じで。
私が尚央のことを好きかって言われるとよく分からないというか」
どっちつかずの言い方で答えると、
真理愛さんはにやにやと笑って私の向かい側に座った。
仕事はいいのかな?
まあ、雅文にやらせればいいか。
なんか女子トークみたい。
高校生の頃に戻ったみたい。
「へえ、尚央さんって言うんだ。
彼、かっこいいわよね」
やっぱりかっこいいのか。
真理愛さんも言うくらいなら、イケメンなんだろう。
どんな顔をしているんだろう。気になる。
「私ね、前に彼に思い切って聞いてみたの。
彼女いるんですかって。
私にもチャンスあるかなって思ってね」
そうなんだ。真理愛さんは尚央のことが好きなんだね。
なんだか胸がチクリと痛んだ。
お似合いなのかもしれない。
これだけ美人なんだもん。
イケメンの尚央にぴったりな彼女になりそう。
「そうしたらね、彼女はいませんって」
「そう、なんですか」
「でもその後に、好きな子がいるんですって言われてね。
ああ、私は負けたって思った」
好きな子。日記に書いてあったことを思い出す。
好きだと言われたんだっけ。
それが私のことかは分からない。
だって尚央と会ったのは今月に入ってからだし、
もしかしたら違う子かも。
「先月の半ばくらいかな。波留ちゃんがここに通うようになって、
彼、ずっとあなたを見ていたから、
ああ、あの子なのかって思ったわ。
見てみてびっくり。
その子が高校生くらいの女の子だとは思ってもみなかった!」
「あの、私……」
「彼、絶対にあなたのこと好きよ。
あなたはどうなの?彼のこと、好き?」
「おい、仕事しろよ」
雅文がショコラミントを持ってやってきた。
真理愛さんは不機嫌そうに頬を膨らまして立ち上がる。
私がショコラミントに目を向けた時、カランコロンと音が鳴った。


