梓がすかさず聞いてきた

「好きってバレーが?優佳が?」


「あっ、俺……何か言った?」

拓海の後ろにまた隠れる

「修平、何を言い出すんだよ」

修平に小声で話す

「ごめん……どうしよう……」

すかさず拓海がフォローに入る

「えっと、まず友達になろうか?木下」

「う、うん、今会ったばかりだからね」



「じゃあ、私こっちだから」

梓が帰っていった

三人で歩きはじめる
拓海が修平を肘でつついた

「何かしゃべれよ」

「う、うん……あの、木下さんもバレーやってるの?」

「うん、里美高校でやってるよ、さっきも言ったけど弱いけどね(笑)」

「修平はいつから木下のこと知ってたんだ?」

「高校に入ってすぐ……かな、朝、駅のホームでさっきの永井さん?と電車くるの待ってて、いつも笑ってるのが可愛くて、朝から笑顔みると今日も頑張ろうって思う」


ハッ!
修平はまた拓海の後ろに隠れる

「恥ずかしいから隠れるの?(笑)、背が高いから隠れてないよ」

「えっと、ごめん女の子と話すのが恥ずかしい」

「木下は話しやすいから大丈夫だよ、性格男かもっていうくらいさっぱりしてるから(笑)」

「男ではないな(笑)八塚くん身長いくつ?」

「186センチ」

「拓海は?」

「178センチ」


優佳との分かれ道にきた

「修平ちょっと待ってろ」

拓海は優佳に近付いていく

「木下、びっくりさせてごめんな、修平が突然変なこといって」

「ううん」

「あいつ女と話すの苦手でさ、でもお前のこと気に入ってるみたいだから電車で会ったら上手く話せないかもしれないけど、声かけてやって、慣れたら話せるはずだから、一応聞くけど今、彼氏いんの?」

「いないよ」

「今度試合あるだろ?見てやって」

「わかった、じゃあ帰るね、八塚くん私こっちだからー、バイバイ」

修平は頭を下げる



「ふう、試合より緊張した」

「全く、俺に早くいえばよかったのに、電車時々使うのにさ」

「朝しか会ったことないし、朝拓海はあの時間に乗ってこないじゃないか」

「まあそうか、あっ明日からまた朝練じゃん」

「うん、しばらく会えない」

シュンとなる

「どんな子?やっぱりいつも笑ってるから明るい?」

「まあ、明るいなさっぱりしてる性格だから男友達も多かったな、今彼氏はいないって」

修平赤くなる

「あんな可愛い子……彼氏いるかと思ってた」

「もう名前覚えてもらったからちゃんと話せよな」

「うん、話せるかな~」