幕末の飴

真桜と別れた私は、帰り道を歩きながら買った飴を食べてみた。

「お婆さんが言った通り桜の香り…美味しい」

でも景色は変わらないな。それともまた違う意味の景色が変わるなのかな。
いろんな考えが浮かぶ中でついぼーっとしながら神社の前を歩いていると、下駄の鼻緒が切れた瞬間躓いてしまった。

「どうしよう。これじゃ歩けない。」
「…どうかしましたか?」

顔を上げると、浴衣を着た1人の男の人が立っていた
でも…

「えっ、あっ、鼻緒が…」
「ちょっと貸してみて、足をここに」

ひょいっと自分の下駄を私の近くに置いてくれた、ってそうじゃなくて。
周りをよく見るとさっきと違う場所で、この人の隣には提灯があって、それから腰には…刀。

「ほら出来た、でもこれは一時的なものだから新しい下駄を買うか職人に見てもらった方がいいよ」
「ありがとう。あ、ちょっと聞いてもいいですか?」
「うん?」
「この街の名前と、今の西暦を。」
「1865年、この街は江戸だけど。君鼻緒が切れて混乱してるのかな」
「1865年?!」

え、私おかしくなったのかな。あれ?ほんとになんで?
まさか!景色が変わるって、タイムスリップするってこと?!