「お婆さんこんばんわ!雨を売って貰えますか?」
「あぁもちろん、どれでも好きなものを選びなぁ。」

そこには林檎飴や葡萄飴などのフルーツ飴、動物の形をした鼈甲飴、それから…

「これ、飴細工ですか?」
「そうだよ。中に桜の形の飴細工がしてあってねぇ、食べると桜の香りもするんだ。」

でもどうやら飴細工はひとつだけだった
この飴細工に何故か物凄く惹かれてしまったようで私はこの飴細工を選び、真桜は林檎飴を選んだ

「ありがとうお婆さん、また来年も来ますね!」
「そろそろ時間も遅いし帰ろっか、また次のバイトでね!」
「うん!今日はありがとう真桜、おやすみ」

屋台の前で手を振る真桜と笑顔のお婆さんを見届けて、私は帰り道を歩いた。

「あ、お婆さんに都市伝説の事聞けば良かった。もしこの飴が」