もう一度〜あなたしか見えない〜

そして今、穏やかな笑顔をたたえた夫が私の横にいる。私達の手はしっかり握られている。復縁当初は正直、離れていた反動から、意識してベタベタしていた。でも今は、一緒にいる時は、自然に手を繋いでいる。


「あっ、またパパとママだけで、おててつないでる。ズル〜い。」


気付いた娘が、そう言って、私達の間に割り込んで来る。そうだよ、あなたのお陰で、ママとパパはまたこうやって手をつなげたんだよ、本当にありがとうね。


娘を真ん中にはさんで、私達は歩き出す。私と夫の今は空いてる手をつないでくれる、新しい宝物はもうすぐ、やって来る。もう誰も入り込む余地もない。


夫はブランクを克服し、急速に会社でのポジションを上げている。そんな夫を支えたい、後顧の憂いなく、ビジネスの世界で羽ばたく手助けをしたい。その思いから、私は家庭に入ることにした。


そんなことを言っても、夫は喜ばないことを知っている。むしろ、新しい物を作るって約束したのに、いつまでも過去に囚われてちゃいけないって叱られるかもしれない。


でも私は、これから生涯、夫の為に生きて行きたい。夫を愛し、夫に愛される為に生きて行く。そうじゃなければ、もう一度、パートナーに選んでもらった意味がない。


女は出産すると、子供が第一になって、夫を蔑ろにするようになると聞く。でも私にとっては、夫が一番。子供と夫が同じになることはあるかもしれない、でもそれが逆転することはあり得ない。


どこかの国の大統領ではないけど


「ハズバンド ファースト」


これが私のこれからもずっと変わらぬ思い。だって、私は間違いなくもう


「あなたしか見えない」


から。


END