「伝熱区画」

ダクトは二層管式方式で月面の地下に埋められていた。

あたしたちが居住するダクトが。

ダクト壁面にはコンクリートが敷き詰められている。旧市街では古びた居住区をさらに規格を刷新し利活用しようとしていた。

月杜が既存資源の利活用を優先せざるを得ないのは月面の経済圏や文化が工業力を優先して作られたためだ。代わり映えしない居住区画とブロック化された単位での再開発着工が続き資材は次々とリサイクルされては再使用されていた。