◇ ◇ ◇
こんなオシャレなところ‥‥カップルみたい。ていうかここテレビとかグルメ雑誌で見たことある。
すっごく、高いところじゃない!?わたしこんな格好で大丈夫なんだろうか!?予約なしでこんなところ入れるの!?
そう思っていたわたしとは裏腹、望月さんはお店に入るなり「予約していた望月です」と言った。
‥‥予約、いつしてくれたのっ!?
望月さんがわたしを連れてきてくれたのは、カップルが特別な記念日に選びそうな高級フレンチレストランだった。
予約が取りづらいとテレビで言っていたんだけど、たまたま空いていたのだろうか?バレンタインだから、振られてしまった人が急遽キャンセルしてしまった、的な?
色々邪推してしまうのも、今は許してほしい。
だって、だって、だって!
甘い雰囲気のカップルばかりなんだもの!
「予定空いててよかった」
「あ、空いてますよっ、彼氏いないですし‥」
頼んだ飲み物が届いて、ひっそりと乾杯をした後、望月さんが安心したように言うから、つい‥聞かれてもいないことを答えてしまった。
何言ってるんだろう。これじゃあ何かを期待しているみたいだ。バカな私。
チョコだって‥渡す気もないのに持ってきてしまった。大きなバッグできてよかった。バッグの中に紙袋ごと入れることができたから。今頃ぐしゃぐしゃになってしまっているかもしれない。
でも、こんな風になってしまった今、一粒これどうぞくらいのテンションで渡せる見込みはないから‥どうみても大本命の一粒チョコレートは渡せない。絶対に渡せない。
渡さないつもりだったのに渡せないと思っているわたしの考えはかなり矛盾している。わかっていながらも、わたしはずっとそんな考えを巡らせていた。
「この前の部署の飲み会、楽しかった?なんか、元気なさそうに見えたけど」
「あの日は‥‥楽しかったですよ。でも体調が悪くて、わざわざ話しかけにきてくれた望月さんに申し訳なかったなと思ってたんです」
体調悪くはなかったけれど。望月さんの好きな人の存在を聞いてテンションが下がっていた。そのことを心配してくれていたのか‥。本当にどこまでも優しい人だな望月さんは。
好きな気持ち、消えてくれそうにない。
料理はコースだった。当日にいきなり予約して、こういうお店ってコースにできるんだ。初めて知った。
こんなオシャレなところ‥‥カップルみたい。ていうかここテレビとかグルメ雑誌で見たことある。
すっごく、高いところじゃない!?わたしこんな格好で大丈夫なんだろうか!?予約なしでこんなところ入れるの!?
そう思っていたわたしとは裏腹、望月さんはお店に入るなり「予約していた望月です」と言った。
‥‥予約、いつしてくれたのっ!?
望月さんがわたしを連れてきてくれたのは、カップルが特別な記念日に選びそうな高級フレンチレストランだった。
予約が取りづらいとテレビで言っていたんだけど、たまたま空いていたのだろうか?バレンタインだから、振られてしまった人が急遽キャンセルしてしまった、的な?
色々邪推してしまうのも、今は許してほしい。
だって、だって、だって!
甘い雰囲気のカップルばかりなんだもの!
「予定空いててよかった」
「あ、空いてますよっ、彼氏いないですし‥」
頼んだ飲み物が届いて、ひっそりと乾杯をした後、望月さんが安心したように言うから、つい‥聞かれてもいないことを答えてしまった。
何言ってるんだろう。これじゃあ何かを期待しているみたいだ。バカな私。
チョコだって‥渡す気もないのに持ってきてしまった。大きなバッグできてよかった。バッグの中に紙袋ごと入れることができたから。今頃ぐしゃぐしゃになってしまっているかもしれない。
でも、こんな風になってしまった今、一粒これどうぞくらいのテンションで渡せる見込みはないから‥どうみても大本命の一粒チョコレートは渡せない。絶対に渡せない。
渡さないつもりだったのに渡せないと思っているわたしの考えはかなり矛盾している。わかっていながらも、わたしはずっとそんな考えを巡らせていた。
「この前の部署の飲み会、楽しかった?なんか、元気なさそうに見えたけど」
「あの日は‥‥楽しかったですよ。でも体調が悪くて、わざわざ話しかけにきてくれた望月さんに申し訳なかったなと思ってたんです」
体調悪くはなかったけれど。望月さんの好きな人の存在を聞いてテンションが下がっていた。そのことを心配してくれていたのか‥。本当にどこまでも優しい人だな望月さんは。
好きな気持ち、消えてくれそうにない。
料理はコースだった。当日にいきなり予約して、こういうお店ってコースにできるんだ。初めて知った。

