「へ、え、すき‥‥‥?わたしが?えっと、わたしは望月さんを好きです‥よ?えっ、付き合ってくれるんですか?」


言われていることも、言っていることももはや意味がわからなかった。


「正直、去年君にチョコをもらった時に気持ちを伝えるべきだと思った‥。でも君があまりにも強情に義理チョコだと言うからもしかしたら本当にそうなのかもと思って‥ヘタレな俺は言えなかった」

ーーえ。
待ってよ。

「君が部署に入ってきて以来、ずっと好きなんだと‥。俺と話すたびに赤くなる君に気づいてた。お互い好きだと確信していた。でも君は‥森戸くんと仲がいいし、付き合ってるなんて噂もあるくらいで。真偽がわかるまで本当に生きた心地がしなかった‥。何度後悔したか、去年のバレンタインを‥」

「も、望月さんってわたしのこと‥す、す、好きなんですか?」

うそ?あまりに望みすぎて見せた夢?白昼夢?わかんない。これ現実??

「何を今更‥。お互い好きだと分かってた。あとは告白をどれだけロマンチストにするかだけだと‥。でも君はあろうことか森戸に本命チョコみたいなのを渡しているし‥」

ほっぺをぐいっとつまんだ。古典的だけど、イタイ。

「げんじつ‥」ポツリと呟いたけれど、頭がグワングワンなって、よくわからない。

「もう我慢できないんだけど。いい加減君俺のものになってよ。森戸と必要以上に仲良くするな。君が俺のこと好きなのは、思い過ごしなんかじゃないはずだろう?」

やだ‥何も、言えない。

「君が気持ちを伝えてくれようとしたのに遮って申し訳なかった。でも宮原さんは‥付き合うなら男からの告白がいいんだろ、確か入社時の飲み会でそう言ってたから」

また泣けてくる。今度は嬉し泣き‥。