‥‥え。何その笑顔意味わかんない。
びっくりした表情が彼にも伝わったのだろう。わたしと目があって、彼はケラケラと笑った。

「表情豊かで一緒にいるだけで楽しいね」

カァッと火照るのが分かった。

もう、本当に帰ってやろうか。何にも分かってない。
デザート食べたらさっさと帰ろう。
好きだけど憎い。っていうか、好きだから憎い。わたしのこと好きになってくれないくせに弄ぶな!!‥と言えたら楽なのか。


望月さんの話は無視して悶々とした気持ちでデザートを待っていると、ウエイトレスがデザートを持ってきてくれた。

「本日のデザート、バレンタイン限定コースのケーキでごさいます」

そう言ってテーブルに置かれたケーキは‥ハート。

わ‥可愛い。可愛いよコレ。
望月さん、きっと驚いてる。まさかハートのケーキが出てくるなんて、って‥。

「かわいい‥」

望月さん、さっきは憎かったけれどやっぱり好きです。素敵な思い出になりました。
好きだと言う気持ちは伝えさせてもらえなかったけれど‥。

「今日は本当にありがとうございました。さっきは帰ろうとしてしまってごめんなさい‥」
「こちらこそ、ごめん。君の気持ちを知ってて」

うん、やっぱり‥。でももういいんです。

「大丈夫です、もう諦めま、」
「俺からどうしても言わせて欲しくて‥」

今日は通算何回彼に言葉を遮られただろう‥そう思ったのが一瞬。

「へ‥?」
「宮原さん。好きだ。俺と付き合ってほしい」

なんて‥

真剣な瞳で‥‥




大、どんでん返し‥