――”葉月君”ってまさか、先輩?!

いやいや、と思い、そっと廊下からチラッと覗き込んだ。

――!!
――やっぱり、先輩だ。

葉月悠先輩だと分かった瞬間に、私の興味はむき出しになる。それと同時に、なぜか心臓がバクバク音を立ててるのが自分でもわかる。


――「俺、今付き合うとか考えてなくて、ごめん。友達じゃ、ダメかな?」

――「は、葉月君。ううん、ダメじゃない」

――「それじゃ、俺この後用事あるから。先行くね」


そんな告白の断り方、なおさら好きになっちゃうだろ!!”友達じゃ、ダメかな”のあとの、微笑み・・・。かっこいい。やっぱり、先輩はかっこいいと自分で納得してしまう。

一人で先輩のかっこよさを実感していると、近づいてくる足音。