「うん。初めての顔合わせってことで改めて自己紹介や、カウンセリングの進め方など説明させてもらいます」
「はぁ」
「で、説明を聞いた上で、俺とのカウンセリングを受理してもらえるかどうかを、みさおさんに判断してもらいます」
「……ここまで来て、やっぱり止める、なんて言う方もいるんですか?」
「まぁ、たまにね」
「へぇ」
ここの会社でカウンセリングをしている曜日や時間帯、吾妻さんの主に扱う心理療法についてなど、一通りの説明を受ける。
吾妻さんの言葉遣いは、善くも悪くも噛み砕かれていて、至って単純な頭の私でも分かりやすかった。
吾妻さんの主とする心理療法とやらは、相談者自身の解決していく力を信じること、ただそれだけ。
同業者の中では、一番多い療法なんだと言う。
私には、にわかに信じ難かった。
それでも半分疑いつつも、残りの半分は期待で、胸が高鳴っていた。



