「え。何ですか」
──変な顔して。
「いや、それ、こっちの台詞! みさおさん、なんで今日に限って、そんな素直なの?!」
「素直じゃ、駄目ですか……」
ますます恥ずかしさが込み上げてきて、真っ直ぐに吾妻さんの顔が見られなくなる。
私が顔を背けると、吾妻さんはまた私にソファーへ座るよう促しながら、呟いた。
「駄目じゃないけどさ……」
それ以上は何も言わず、私の正面に吾妻さんも腰掛ける。
「……さて、時間も来たことだし、早速始めましょうか」
純真そうな微笑みに、どきりと胸が鳴る。
どうかしてる、本当に。
吾妻さんの前では、彼の言い方を借りれば「素直」になれてしまう。
これを発揮すべきなのは、ここじゃないことくらいは、もちろん分かってる。
分かりきったそのことを、どうにかするために、吾妻さんの力を借りたくなった。
「では、初回ということで、インテーク面接していきますね」
「インテーク面接?」



