羊かぶり☆ベイベー




「え。何ですか」



──変な顔して。




「いや、それ、こっちの台詞! みさおさん、なんで今日に限って、そんな素直なの?!」

「素直じゃ、駄目ですか……」



ますます恥ずかしさが込み上げてきて、真っ直ぐに吾妻さんの顔が見られなくなる。

私が顔を背けると、吾妻さんはまた私にソファーへ座るよう促しながら、呟いた。



「駄目じゃないけどさ……」



それ以上は何も言わず、私の正面に吾妻さんも腰掛ける。



「……さて、時間も来たことだし、早速始めましょうか」



純真そうな微笑みに、どきりと胸が鳴る。

どうかしてる、本当に。

吾妻さんの前では、彼の言い方を借りれば「素直」になれてしまう。

これを発揮すべきなのは、ここじゃないことくらいは、もちろん分かってる。

分かりきったそのことを、どうにかするために、吾妻さんの力を借りたくなった。



「では、初回ということで、インテーク面接していきますね」

「インテーク面接?」