羊かぶり☆ベイベー

「そういえば、店長。このお店されて、どのくらいになるんですか?」

「3年です」

「あら、意外と……」

「『続いてる』って?」

「ち、違います!割と最近に出来たお店なんだなぁ、って。気づいたら、行き付けになってたので」

「いつも、ありがとうございます」



店長は無表情のままで、浅い会釈をした。

その仕草が愛らしく見えて、口角が自然と上がってしまう。

店長といい感じでいると、すかさず割り込んでくる人がいる。



「みさおさんってさぁ」

「何ですか」

「みさおさんってさ、壮のこと、やたら褒めるよね」

「そりゃ、スゴい方じゃないですか。一人でお店立ち上げて、切り盛りされて」



私が素直にそう言えば、吾妻さんが少し拗ねた表情になった。

冗談でつくっている表情だと言うことは、もちろん分かっている。

だから、構わず、喉にまた爽快なミントを通した。