しばらく観察した後、店長を見上げて尋ねた。
「店長、今日のテーマは?」
「『新樹(しんじゅ)に星屑』です。何やら、またモヤモヤとされているようだったので、今日はスカッとするようなものをと思い……」
また迷惑をかけている。
二人に、気遣わせてしまって、少し居たたまれない。
「まずは一口、味わってみてください」
店長が無表情で促す。
私は、そっと口に含んだ。
「んっ」
「あ……もしかして、ミント苦手でしたか」
爽やかなミントが、スッと鼻を抜ける。
これは確かに、すっきりできる。
私はミントは、イケる口だ。
何なら、みんなが「歯みがき粉」だと言う、チョコミントも好きだ。
察する程度にしか読み取れないが、不安そうにしている店長に向けて、私は思い切り首を横に振った。
「ミント、ハーブ系は、むしろ好きです。リラックス出来ますから」
「そうですか。それなら、良かった」
「今日のも良いですね。美味しいし、何より、今日の気持ちにぴったり。店長は、いつも外しませんね」
「ありがとうございます」



