「実際、解決はした？」

「……し、しました」



私たちの中では、したと思っている。

一回目の浮気ぐらい、大目に見る、ということにして。

それくらい、心は大きく持たないと。

私から「好き」と言葉はしっかりと伝えて。

そうしたら、ユウくんは安心しきった顔をしていた。

あれ？そういえば、ユウくんからは一言も「好き」なんて言われていない。

私が一方的に言っただけ。

もしくは、言わされただけ。

よくよく考えてみれば「好き」も「ごめん」も言われていない。

またモヤモヤとしたものが、生まれた。

解決なんてしてない。

おそらく、彼の中だけなら、解決している。



「ごめん。また嫌なこと、思い出させたね」



表情に出てしまっているのか、それとも、この人が感情を読み取れてしまうからなのか、私に気を遣う。



「……やっぱり解決していませんでした」



私が呟くと、吾妻さんは少し驚いた様子でいた。