私は我が儘だ。
そう思い、彼の声を遮る。
『大丈夫』
『え?』
あまりにも間抜けな声が聞こえてきたから、私もその場ゆっくりと振り返り、彼を見上げた。
その時の彼の顔といったら。
『え、大丈夫って……それって、怒ってないの?』
何故かしら、安堵を浮かべている。
私はと言えば、少しずつ心が曇り始める。
複雑な想いの理由が「先程まで浮気していた彼が、後を追いかけてきてくれて嬉しい」だなんて、そんなことは当然ない。
こういった状況に陥ってまでも、彼の行為に対して、何とも思えない情けない自分自身に、複雑な想いを抱いている。
私が外見だけでも、冷静に振る舞えるのは、自身が一番よくわかっていたからかもしれない。
彼と私では、あまりにも填まらないということくらい。
20代で恋愛経験ゼロだからといって、焦りすぎた。
これ程、はじけた容姿の彼と、そんな彼に合わせようともしない内外共に普通な私だ。
そりゃ、釣り合いがとれるわけがないのだから。
それなのに、一瞬でも喜んで付き合おうと思った自分が、非常に恥ずかしくて、情けなく感じた。
そう思い、彼の声を遮る。
『大丈夫』
『え?』
あまりにも間抜けな声が聞こえてきたから、私もその場ゆっくりと振り返り、彼を見上げた。
その時の彼の顔といったら。
『え、大丈夫って……それって、怒ってないの?』
何故かしら、安堵を浮かべている。
私はと言えば、少しずつ心が曇り始める。
複雑な想いの理由が「先程まで浮気していた彼が、後を追いかけてきてくれて嬉しい」だなんて、そんなことは当然ない。
こういった状況に陥ってまでも、彼の行為に対して、何とも思えない情けない自分自身に、複雑な想いを抱いている。
私が外見だけでも、冷静に振る舞えるのは、自身が一番よくわかっていたからかもしれない。
彼と私では、あまりにも填まらないということくらい。
20代で恋愛経験ゼロだからといって、焦りすぎた。
これ程、はじけた容姿の彼と、そんな彼に合わせようともしない内外共に普通な私だ。
そりゃ、釣り合いがとれるわけがないのだから。
それなのに、一瞬でも喜んで付き合おうと思った自分が、非常に恥ずかしくて、情けなく感じた。



