羊かぶり☆ベイベー




「そんな恐い顔、しないでって。まさか、そんなことしないから。俺は紳士だよ?」

「初対面で……そんなこと、わかりませんから……」

「初対面でも、通じるところがある人、時々いない?」

「じゃあ……きっと、通じません。あなたと、私…………」

「ちょっと、ちょっとお姉さん!目が虚ろになってきてるよ。ちゃんと送り届けるから」

「家、実家です……から……ね……」

「本当に俺、信用されてないね!」



青年は苦笑いをして、後頭部を掻くと、店長の方を一度、チラッと見た。

すると、店長は私の正面まで来て、目線を合わせるように屈む。



「あの……こいつ、『吾妻 桐也(あづま きりや)』っていって、俺の高校の同級生なんです。馬鹿だけど、悪い奴じゃないんで。
それに、あなたがどうやって帰るのかは知らないけど、女の子一人で居たら危ないですから」



店長は私に説得すると、青年こと吾妻さんに向かって「な?」と確かめるように言っている。