かなり飲み進めた。
もはや今この手に持つグラスが、何杯目なのかもわからない。
そろそろ頭が、グラグラし始めている。
でも、丁度良いくらいには、気持ち良さも味わえた。
気持ちも、ここへ来たときよりは、少し落ち着いている。
両親も寝付いている時間だと思う。
もう帰っても平気かもしれない。
「てんちょ……お会計、お願いします」
立ってグラスを拭く長身の店長を、見上げて言った。
そんな私を見かねた店長は、溜め息を一つ吐く。
そして、この時間になっても、未だに私の隣に座って居た青年に、店長が視線を送る。
「おい、桐也。この子を送ってやってくれないか」
「へいへい。俺も今、そう思ってたところだよ」
「……わかってんだろうな。大事な俺のお客さんだ。送り狼になるんじゃねぇぞ」
「へいへい」
こんな軽い返事をする、軽くて図々しい初対面の青年に、そんなことさせはしない。
私だって、馬鹿じゃない。
これ程に酔っていても、最善の判断くらいは出来る。
青年の彼への抵抗の気持ちを込めて、視線で圧をかけてみた。
私のその目に気が付いた青年は、呆れた様子で言った。



