羊かぶり☆ベイベー




かなり飲み進めた。

もはや今この手に持つグラスが、何杯目なのかもわからない。

そろそろ頭が、グラグラし始めている。

でも、丁度良いくらいには、気持ち良さも味わえた。

気持ちも、ここへ来たときよりは、少し落ち着いている。

両親も寝付いている時間だと思う。

もう帰っても平気かもしれない。



「てんちょ……お会計、お願いします」



立ってグラスを拭く長身の店長を、見上げて言った。

そんな私を見かねた店長は、溜め息を一つ吐く。

そして、この時間になっても、未だに私の隣に座って居た青年に、店長が視線を送る。



「おい、桐也。この子を送ってやってくれないか」

「へいへい。俺も今、そう思ってたところだよ」

「……わかってんだろうな。大事な俺のお客さんだ。送り狼になるんじゃねぇぞ」

「へいへい」



こんな軽い返事をする、軽くて図々しい初対面の青年に、そんなことさせはしない。

私だって、馬鹿じゃない。

これ程に酔っていても、最善の判断くらいは出来る。

青年の彼への抵抗の気持ちを込めて、視線で圧をかけてみた。

私のその目に気が付いた青年は、呆れた様子で言った。