「ご、ごめんなさい」
「いや、謝る必要はないんだけどさ。不安なんだよ。緑川にばっか、良いとこ持ってかれそうで」
そう言って、子供のようにいじける先輩が、あまりにも可愛くて、思わず精一杯に手を伸ばして、顔に触れた。
「な、なんだよ」
ゆらぎの行動に驚いた黒瀬は、咄嗟にその腕を掴む。
「可愛いなぁと思って。先輩、ワンコみたい」
「は!? ワンコ!?」
「頭撫でてもいいですか」
「いやいや、待て待て。ダメだ、それは」
「どうしてですか」
「い、色々と我慢出来なくなるだろうが」
「そうですか……」
矢継ぎ早に問われ、黒瀬が必死に否定すると、ゆらぎはあからさまに肩を落とした。



